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東京高等裁判所 昭和50年(ネ)2440号 判決 1978年6月22日

控訴人

X

右訴訟代理人

柳沼八郎

外三名

被控訴人

右代表者法務大臣

福田一

右指定代理人

和田衛

外二名

被控訴人

東京都

右代表者

美濃部亮吉

右訴訟代理人

吉原歓吉

右指定代理人

池田良賢

外二名

被控訴人国補助参加人

羽鳥定雄

右訴訟代理人

山下卯吉

外五名

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実《省略》

理由

Xは、東京女子大学に在籍していて、同大学全学闘争委員会の委員長をしていたところ、昭和四四年一〇月三一日、学園紛争に関連して、他の九名の女子学生らとともに、住居侵入罪の被疑事実で逮捕され、三鷹警察署から新宿警察署に嘱託留置され、爾来一一月一一日まで同署に勾留されていたが、その間、同年一一月六日、同署の男子独房において、署長で国家公務員(警視正)たる補助参加人の命を受けた東京都警察職員たる三名の看守係により、戒具使用の方法及び程度の点を除き、うつ伏せにされたまま、柔道衣の帯で両手、両足を縛られ、タオルで口を覆われる等戒具の使用を受けたことは、当事者間に争いがない。

そこで、以下、右戒具使用の適否について判断することとする。

(一)  まず、代用監獄たる警察署の留置場において戒具を使用することが認められているかどうかについて。

現行法上、被拘禁者に対する戒具の使用を認めた規定としては、監獄法一九条があるだけであり、同条は、「①在監者逃走、暴行若クハ自殺ノ虞アルトキ又ハ監外ニ在ルトキハ戒具ヲ使用スルコトヲ得 ②戒具ノ種類ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム」と規定している。ところで、警察官署に附属する留置場は、監獄法一条三項により、監獄に代用することができることとなつている。もとより、受刑者や未決勾留者の拘禁施設である監獄と逮捕中の被疑者の拘禁施設である留置場とでは、法的根拠や人的、物的設備等を異にするのであるから、留置場を監獄に代用する場合においても、監獄法のすべての規定がそのまま留置場に適用されるわけではない。しかし、両者は、その果たす未決勾留者の拘禁という本質的機能ないし目的を同一にするものであり、また、そのことを当然の前提として留置場を監獄に代用する以上、その限りにおいて、留置場における拘禁は、監獄における拘禁と法律上同視され、その処遇に関する監獄法の規定、殊に、戒具使用に関する規定は、戒護の措置が被拘禁者に逃走、暴行若しくは自殺の虞れのある場合、それを予防又は制止することによつて拘禁の目的を達成するために必要不可欠のものであるから、代用監獄たる留置場にも準用があるものと解すべきである。国家公安委員会が警察法五条二項一二号に基づき警察職員の任用、勤務及び活動の基準として制定した被疑者留置規則がその二〇条において、「看守者は、留置人につき逃亡、暴行、自殺等のおそれがあり、その防止のため必要と認めるときは、留置主任者の指揮を受け、留置場内においても手錠、捕じよう等を使用することができる。」と規定し、また、その三五条において、代用監獄についての準用規定を定めているのも、右と同旨の見解に出たものというべきである。

それ故、補助参加人が留置場においてXに対し、戒具を使用したことが、法的根拠を欠き、特別公務員暴行陵虐罪に当たるとするXの主張は、採用に由ないものというべきである。

(二)  次に、柔道衣の帯及びタオルが戒具として許されているかどうかについて。

監獄法一九条二項の特別委任に基づく同法施行規則四八条は、「①戒具ハ左ノ四種トス 一鎮静衣 二防声具 三手錠 四捕繩 ②戒具ノ製式ハ法務大臣別ニ之ヲ定ム」と規定しており、法務大臣の定めた昭和四年五月司法省訓令行甲第七四〇号の製式に照らすと、柔道衣の帯やタオルがその法定戒具のいずれにも該当しないことは、明らかである。もつとも、右司法省訓令は、地方公共団体の事務として設置、管理されるべき留置場については、それが監獄法に代用される場合においても、当然に警察署長を拘束するものではなく、また、当時、警視庁所轄の留置場においては、捕繩、防声具等の戒具の製式について定めがなかつたことも確かである。しかし、吾人の社会的常識からみて、また、前記訓令の趣旨に徴しても、柔道衣の帯が監獄法の予定している捕繩であつてタオルが同法上の防声具であると解することは、困難である。そして、戒具は、それがいかなる種類のものであつても、これを使用される者の身体の自由と個人の尊厳を犯かすのであるから、その侵害を最少限度にとどめるとともに、受傷の危険性を可能な限り防止するものでなければならず、前記訓令の製式も、その趣旨のもとに定められたものであるから、法定外戒具の使用は、原則として、許されないと解するのが相当である。とはいえ、前叙のごとき戒具使用の目的並びにその必要性にかんがみれば、法定外戒具の使用をすべて違法と断定することは許されず、緊急やむを得ない場合とか、被拘禁者の性、年齢の程度等具体的事情に照らして、法定外戒具を使用する方が、法定戒具を使用する場合よりも、本人に与える心理的・肉体的苦痛や生命、身体に対する危険性が少なく、しかも、鎮静化の目的を達するのに適当であると認められるようなときには、法定外戒具であつても、その使用方法が適切であれば、いわゆる用法上の戒具として、使用の許される場合があるものというべきである。

それ故、柔道衣の帯やタオルが法定戒具のいずれにも該当しないという一事のみをもつて、それが使用を違法と論難する控訴人の主張も、また、採用の限りでない。

(三)  Xに対する戒具使用の要件及び使用の方法、程度について。

<証拠>によれば、次の事実が認められる。すなわち、

(1)  前記一一月六日当時、Xは、房内で騒ぎ立てるのでそれを鎮めるために、また、たまたま男子房の一部が空いていたということもあつて、A、Bの女子学生らとともに、婦人留置場から男子独房に移されていた。また、新宿警察署では、被疑者留置規則実施要綱に従い、留置人に対して喫煙を禁止し、ただ、支障がないと認められる場合に限り、運動に出た際、運動場の指定の場所で、一日一本の喫煙が許されていた。ところが、それより前の同月三日、Xは、喫煙の際、他の二名の女子学生らとともに、規則を無視して、火のついた煙草を持つて運動場を歩き回り、窓から灰を捨て、看守係が注意すれば、「そんなものは、お前達が勝手に作つた規則じやないか。守る必要はない。」等と抗言してはばからず、しかも、看守係がこれを取り上げようとすると、火のついたまま窓から階下に投げ捨ててしまつた。当時階下には、仮庁舎を解体して板切れが散乱したり、ベニヤ板等が集積されていて、火気には特に注意しなければならない状態にあつた。そこで、当日担当の看守主任高橋実は、Xらに対し今後は喫煙を禁止する旨を申し渡し、その旨係長の稲村虎次と署長の補助参加人に報告した。

その翌々日である五日の夜、その日は男子独房にいたXら女子学生は、初めての差入れや入浴があつたためか、いささか冷静さを取り戻していて、看守主任の金子喜一と打ち解けた世間話し等をしたが、その際、金子主任は、Aから「煙草はいつになつたら吸わせてもらえるの。」と聞かれたのに対し、「運動に出たとき、看守の指示に従うのであれば、明日からでも吸わせてもらうことができるのだよ。」と答えた。

ところが、当日の六日、担当看守主任の前記高橋は、右の件について金子主任から何らの引継ぎも連絡も受けていなかつたので、運動場にXら用の煙草を用意していなかつたところ、運動が終つてそのことに気付いたXらは、高橋主任に対して、喫煙を要求し、それが無下に断わられるや、「昨日は吸わせるといつたのに、何故吸わせないのか。話しが違うぢやないか。」、「煙草を吸わせろ。」と詰め寄り、高橋主任から、「そういう話しは聞いていない」、「煙草は危険だから駄目だ。」といわれてその要求がはねつけられ、また、金子主任に連絡してくれとの再三の要望も、遂に取り合つてくれないことを知るや、これに抗議して、Xらは、独房へ連れ戻そうとする看守係の手をすり抜けて運動場のほぼ中央部分に坐り込み、看守係が背中に手を掛けて立たせようとすると、「エツチ、触わるな」、「助平」等と騒ぎ立て、なかでも、Xは、「署長を出せ」、「総括しろ。」等と怒鳴り散らし、いよいよ看守係が強力に房に連れ戻そうとすると、運動場の扉の取手や階段の上り口の手摺の棒に掴まつて抵抗を続けた。

この時、署長の補助参加人は、騒ぎで駈けつけ、留置場の入口附近まで来て、高橋主任から大体の事情を聞き、看守係に対してとにかく房に入れるよう命じた。控訴人は、看守係の佐藤正信巡査に背中を押されるようにして自分の独房の前までは来たが、房の扉に掴まつて抵抗を続け、「馬鹿野郎」、「嘘つき」、「署長を連れて来い。」等とわめき立て、また、「触るな。ど助平」等といつて、佐藤巡査が実力で房に入れようとするのを拒否し、手の施しようがなかつた。

この様子を監視台のところで見守つていた補助参加人は、「私が署長だ。」と名乗り出た。控訴人は、「てめえが署長か。」、「これをどうしてくれるんだ。」、「総括しろ。」等と大声で騒ぎ立て、補助参加人が「そんなに興奮しては話しにならないではないか。」、「とにかく房に入りなさい。」、「房に入つて静かになつたら、話しを聞くから、静かにしなさい。」といつても、それには耳をかさず、却つて、益々いきり立ち、「何言つてるんだ。」、「馬鹿野郎」等とわめき散らし、騒ぎは、一層激しくなり、房に押し入れられてからも、髪を振り乱して「馬鹿野郎」等と怒鳴りながら、金網を素手で叩いたり、足で蹴つたり、床板を激しく踏み鳴らし、果ては、房内をとび廻つて半狂乱状態に陥り、A・Bの両名も、それに共鳴して暴れ出し、男子房全体が騒然となり始めた。

そこで、署長の補助参加人としては、Xらが新宿警察署に嘱託留置されて以来、毎日のように、安保紛砕や断呼闘争等のシユプレヒ・コールを繰り返えし、流行歌を歌い、夜遅くまで大きな声でインターナシヨナルを合唱し、ゴーゴーを躍り、それが制止されたり、自分達の要求が容れられなかつたりすると、ことごとに反抗して騒ぎ立て、当時、男子房には約四〇名の被疑者が留置されていて、なかには、Xらの騒ぎに対し、「ふざけたアマだ。ぶつ殺すぞ。」とか、「あのアマこつちに連れて来い。おとなしくさせてやる。」等と怒鳴つたり、「あんなアマを何んで許しておくのだ。」等と不平や苦情を訴え出る者もいるという事実を連日刑事課長などから報告され、場内全体の秩序と平穏が破られる不祥事態の発生を懸念していたところでもあつたので、Xが理性を失つた前記のような行動によつて自傷事故を惹き起こすことを防止するとともに、留置場全体の秩序と平穏を保持するため、Xに対して、戒具を使用することを決意し、数次にわたりその旨の警告を発したうえで、戒具の使用に踏み切つたこと。

(2)  まず、補助参加人は、看守係に戒具の使用を命じたところ、吉松巡査が手錠を持つて来たので、それを柔道衣の帯に代えさせ、その帯で縛るように指示し、稲村主任と看守係の佐藤正信、東某の両巡査が、Xを押えてうつ伏せにしたうえで、両手を後ろに回して外向きに合わせて一本の柔道衣の帯を二回廻して両手首を縛つたが、Xは、両足をバタバタさせるので、両足も踝の部分を別の柔道衣の帯で二回廻して縛り、様子をみていた。ところが、Xは、なおも、「畜生」、「税金泥棒」等と大声でわめき立てるので、補助参加人は、タオルを持つて来させ、それによる防声具の使用を命じ、稲村係長が、二重折りにした洋タオルの中央部分を控訴人の鼻の下から顎の部分に当て、その両端を首の後方で一重結びにし、口腔内にはタオルが入らないようにした。それでも、Xが足先で床を蹴りつけたり、身体を左右に動かして転輾するので、補助参加人は、右両巡査に命じ、手を縛つた帯と足を縛つた帯の各末端部分を爪先が床より二、三センチメートル離れる程度に連結させた。然るうえで、補助参加人は、自室に引き揚げ、右両巡査にXの動静を監視させていたところ、Xは、三、四分後には顎を動かしてタオルを外し、続いて手足の帯を順に解き、再び暴れ出したので、稲村係長は、看守係の中西純之、佐藤の両巡査とともに、前同様の拘束方法で縛り直した。しかし、Xは、また、間もなくそれを解き、三度び縛られたが、これも僅かの間に解いてしまい、その後は、房の中央附近に坐つて沈静するに至つたので、稲村係長は、戒具の使用を解除し、房から前記帯とタオルを取り出し、補助参加人にその旨を報告したこと。戒具使用の時間は、前後合わせて一〇分位いであつたこと。

以上の事実を認めることができ、<証拠判断略>。他に右認定の妨げとなる適確な証拠はない。

なお、戒具使用の方法、程度の点につき、Xは、両手首を柔道衣の帯で固く縛られ、両足も膝から後方に深く曲げて踝部分を柔道衣で縛られたうえ、縛つた両手と両足を別のロープで連結させて、いわゆる逆海老固めにされ、身動きのできない不自然な形のままで二〇分ないし三〇分の間放置され、また、口にはいわゆる猿轡を噛まされた旨抗争し、原審及び当審における本人尋問の際も、それに副う供述をしているけれども、該供述は、前叙のごとく、前掲爾余の各証拠に照らして措信できず、他に右認定を覆えしてXの右主張事実を肯認するに足る証拠はない。

ところで、戒具使用の要件として、監獄法一九条一項は、戒具は逃走、暴行若しくは自殺の虞れがある場合に限り使用することができる、と規定し、また、同法施行規則五〇条は、手錠及び捕繩は逃走、暴行若しくは自殺の虞れがある場合に、防声具は制止を聞かずして大声を発する場合に使用することができる、と規定している。そして、戒具の使用が認められる趣旨、目的に徴すれば、ここにいう戒具使用の要件としての「暴行」とは、人又は物に対する有形力の行使の総てであつて、他人のみならず自分自身を傷つけたり、留置場全体の平穏を害してその秩序維持に支障を与える等被疑者拘禁の目的に反する結果を招来する虞れのある場合をいうものと解するのが相当である。

しかして、右認定の諸事実によれば、前日の一一月五日の夜、金子主任は、男子房に留置されていたX、A、Bの三名の女子学生らに対し、翌日から煙草を吸わせる旨を確約したわけではなく、「煙草はいつになつたら吸わせてもらえるの。」というAの質問に対し、「運動に出たとき看守の指示に従うのであれば、明日からでも吸わせてもらうことができるのだよ。」と答えたにすぎない。しかし、控訴人らとしては、心身の自由を奪われた拘禁生活を送るなかで、一日一本の煙草を吸えることに異常な歓びを見い出していたことは、推測に難くないところであり、しかも、同月三日禁煙を申し渡されて以来その歓びを断たれていたのであるから、金子主任の右の言辞から、運動の際看守係の指示におとなしく従つておれば、必らず、禁煙の措置が解除されて煙草を吸わせてもらえるものと即断し、そのことを楽しみに翌六日の運動に臨んだことは、みやすいところである。したがつて、当日の運動が平穏無事に終了したにもかかわらず、煙草を吸わせてもらえないことを知つたXらが、約束が違うと騒ぎ出し、抵抗を試みるに至つた心情は、一応、諒承し得ないわけではない。しかし、被疑者たるXらがその拘禁施設である留置場内において行ない得る抗議には、一定の節度と限界が存すること、多言を要しないところである。しかるに、前叙認定のごときXらのとつた言動は、抗議の域を遙かに超え、殊に、控訴人は、「署長を連れて来い。」と自ら放言はしたものの、現実に署長の補助参加人が現われたのをみて、興奮が一層たかまり、しかも、必死の抵抗も排除されて房内に押し入れられたことから、興奮はその極に達し、髪を振乱して大声でわめき散らしながら、金網を素手で叩いたり、床板を激しく踏み鳴らし、半狂乱状態に陥つたのであるから、それが戒具使用の要件としての「暴行」に該当することは、明らかである。

しかして、代用監獄たる警察署の留置場で、被疑者に戒具を使用し得る要件が存在する場合において、現実に戒具を使用するかどうか、また、いかなる種類の戒具をどの程度に使用すべきかは、被疑者の留置と留置施設の管理、運営について指揮監督の全責任を負托されている警察署長(被疑者留置規則四条参照)の裁量に任されているものと解するのが相当である。したがつて、裁判所が戒具使用の適否を審査するにあたつては、戒具使用の要件存否の点については、前叙のごとく、具体的事実に即して客観的に判断すべきことはいうまでもないが、いやしくも、戒具使用の要件が存在していると認められる以上、当該事案のもとで果たして戒具を使用したことが相当であつたかどうか、また、いかなる種類の戒具をどの程度に行使すべきであつたかという点については、裁量権を行使する警察署長一般の立場に立つて判断すべきではなく、たとえ、警察署長一般の立場からすれば、その裁量権の行使に合理性を欠く嫌いがあると思料される場合であつても、それが社会観念上著しく妥当性を欠き、権限濫用にわたると認められる場合にのみ、違法としてその責任を追及することができるものというべきである。

いま、本件についてこれをみるのに、当時の新宿警察署長であつた補助参加人は、前叙認定のごときXの当日における言動のほか、同署に嘱託留置されてからの態度、行動、それが他の被留置人に与える影響等諸般の事情を考慮し、理性を失つたXに自傷事故の発生するのを防止するとともに、留置場全体の秩序と平穏を保持するため、戒具の使用に踏み切つたのであり、また、使用した戒具の種類にしても、柔道衣の帯やタオルは、それ自体法定戒具の手錠ないし捕繩又は防声具よりも、本人に与える心理的衝撃が少ないばかりでなく、前叙認定のごとき使用方法のもとでは生命、身体に対する危険性も少なく、さらに、戒具使用の方法、程度にしても、三回にわたり、X自身が自力で、しかも、三、四分の間に解いてしまい、使用時間も、前後を通じて十分位いであつたのであるから、留置場における戒具使用の事例が極めて希有であり、また、Xが女子学生であつたという特殊事情を勘案しても、Xに対する戒具の使用が、社会観念上著しく妥当性を欠き、警察署長たる補助参加人に付与された裁量権の範囲を逸脱したもの、と断定することはできない。

それ故、Xの本訴請求は、爾余の争点について判断を加わえるまでもなく、棄却を免かれないものというべきである。

<以下、省略>

(渡部吉隆 渡辺忠之 柳沢千昭)

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